あだち充『クロスゲーム』は、なぜ今読んでも心に刺さるのか

漫画

あだち充の野球漫画と聞くと、『タッチ』や『H2』を思い浮かべる人が多いだろう。
しかし、それらを読んだあとにぜひ手に取ってほしい作品が『クロスゲーム』だ。

この作品は、野球漫画でありながら、
それ以上に「時間」と「喪失」を描いた物語でもある。


『クロスゲーム』とはどんな作品か

『クロスゲーム』は2005年から連載された、比較的新しいあだち充作品だ。
物語は幼なじみ同士の穏やかな日常から始まるが、
序盤で起こる出来事によって、物語の空気は大きく変わっていく。

その出来事は、派手な演出で語られるわけではない。
むしろ淡々と、静かに描かれる。
だからこそ、読者の心に深く残る。


序盤の出来事が持つ“重さ”

『クロスゲーム』を語るうえで、避けて通れないのが物語序盤の展開だ。
ネタバレは避けるが、この出来事によって登場人物たちは
「元には戻らない時間」を背負うことになる

この喪失感は、物語全体を通して消えることはない。
笑顔のシーンでさえ、どこか影を帯びて見える。
それが『クロスゲーム』という作品の大きな特徴だ。


野球よりも「時間」を描いた漫画

試合描写はある。
勝ち負けも描かれる。
しかし『クロスゲーム』の本質は、そこではない。

・何気ない会話
・沈黙のコマ
・変わらない日常と、変わってしまった心

あだち充は、野球を通して
登場人物たちが時間とどう向き合っていくのかを描いている。

その描写はとても静かで、押しつけがましくない。
だからこそ、読み手は自分の経験と重ねてしまう。


『タッチ』『H2』との違い

『タッチ』が青春のきらめきを描いた作品だとすれば、
『H2』は選択と挫折の物語だ。

それに対して『クロスゲーム』は、
失ったものと共に生きていく物語だと言える。

どれも野球漫画でありながら、
テーマははっきりと違う。
この違いを感じ取れるようになると、
あだち充作品を読む楽しさは一段階深まる。


こんな人におすすめ

  • タッチやH2を読んで、もう一歩踏み込みたい人
  • 余韻の残る物語が好きな人
  • 派手な展開より、感情の積み重ねを楽しみたい人

逆に、テンポの速さや爽快感を求める人には合わないかもしれない。
だが、その静けさこそが『クロスゲーム』の魅力だ。

気になった方は、まずは第1巻を読んでみてください。
『クロスゲーム』の空気感や物語の温度は、1巻だけでも十分に伝わってきます。

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まとめ|静かに心に残り続ける一作

『クロスゲーム』は、読み終わった瞬間に感動を押しつけてくる作品ではない。
むしろ、時間が経ってからふと思い出す。
あのセリフ、あの表情、あの沈黙。

それこそが、この作品が長く愛され続ける理由だろう。

もし、あだち充作品をこれからも読み進めていくなら、
『クロスゲーム』は間違いなく外せない一作だ。

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